Kindle DXと洋書
やばい、Kindle DX超欲しい。
$489というNetbookより高いという値段が気になってたのですが、こちらに来てから洋書をかなり買っていて、さらに買いまくる予定なので、日本に持ち帰る本の量がすごいことになりそうです。その量を減らせるなら、Kindle DX買ってもいいかな、と気持ちが傾いてきました。日本じゃ売ってないしね。
追記:
- USで発行されたCredit/Debit cardが無いと電子本を買えない
- 上記のカードがあるとしても、Whispernet(無線LANを使って、Webから直接Kindleに電子本をDLするサービス)はUS国内でしか使えないので、日本では Web-(Web)->PC-(WLAN)->Kindle とする必要がある
という制約があるようです。
日本のITベンダはグローバルクラウドになれるか
id:takuya-itohさんが紹介していた"The Facebook Era"を読み進めています。この本の紹介をSalesforceのCEOが書いているというのがかなり重要で、SaleforceはB2BのPaaSインフラ(クラウド)を、Facebook(特にFacebook connect)はB2C/C2Cのクラウドを握ろうとしていて、両社が助け合っているパートナー関係にあるという点です。SalesforceはSaaS、FacebookはSNSという印象が強いですが、本質はクラウド争奪戦なのです。
企業訪問した印象では、SVを中心としたベンダは、利用者情報を活用するクラウドを構築することで高機能クラウドを狙い、インドを中心としたベンダは低コストを活かしたクラウドを握ろうとしているように思えます。
日本のITベンダの現状については、次の記事が参考になります。
サンを買うのはオラクル、クラウド時代の総合ベンダーの勝算は?
SaaS基盤サービスみたいな全く勝算が見えないビジネスでお茶を濁していないで
基幹系システムのクラウド化だ。多数の業務システムをこのクラウドに乗せることにより、リソースの効率活用を図り規模の経済を追求する。グレート! 正しいシナリオだ。
ベンダとして収益の見えないSaaSやマッシュアップ(死語)で遊んでる場合では無くて、基幹系システムをクラウド化して生き残ろうとしているようです。(一応補足。スタートアップだったらSaaSで収益を上げる可能性は十分にあると思いますが、NFHといったITベンダのビジネスでは無いという意味)
「日本国内」で生き残る作戦としてはしばらくの間は有効だと思いますが、SVのベンダのように英語圏の普遍性かつITインフラ製品という強みや、インドの低コストという強みがあるわけでもないので、延命処置にしかならない気がします。
クラウドは「技術が語って」くれるビジネスなので、実は日本にも勝算があるのではと期待して思索しているのですが、その手掛かりがつかめていない状態です。ここで世界に打って出ないと、もうチャンスは無さそうなのですが。。
Swine flu and sensor-cloud computing
久々に英語エントリ書いた。
"Swine flu and sensor-cloud computing"
http://svceng.blogspot.com/2009/05/swine-flu-and-sensor-sensor-cloud.html
"A framework of sensor-cloud integration opportunities and challenges"という論文と、swine fluのニュースを見てて思ったんだけど、sensor-cloudのような、地理的に散らばった情報をうまく集めて意味のある情報を見つけ出す「センサーネットワーク」の研究はかなり日本でも進んでいて、日本のメーカーが携帯用体温センサーをすでに開発してるので、それらを組み合わせたら、日本初の大きなイノベーションになりそうだと想像中。
風を感じられなくなったらお終い
先日、ブランチに参加させていただいた渡辺千賀さんの記事が話題になってますね。
「海外で勉強して働こう」
http://www.chikawatanabe.com/blog/2009/04/future_of_japan.html
1)日本はもう立ち直れないと思う。
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。
1)に反応している方が多いようですが、私が最も重要だと思うのは、
伸びてる場所を海外に見つけよう、という話しです。
という部分です。これは、SVCでの梅田さんの講演にも通じるものがあります。
「自分の力と時代の力」
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20090323
- 時代の力(世界経済の力, 日本の力, 自分が得意領域としている技術の力(e.g. IT))
- 自分の力
ここで言う時代の力がスローダウンしているというのは、特にIT技術系の方は痛感しているのではないでしょうか。千賀さんのメッセージは、「世界のどこかでは風(意図的に s/力/風/g)が吹いている場所があるだろうから、そこに行ったらいい。風を感じるセンスを失ったらお終いだよ」ということだと思います。私はSF bay areaに来て7ヶ月目ですが、こちらでの研究活動や企業訪問を通じて、日本で感じていたモヤモヤが晴れてきて、風がわかり始めてきました。日本に戻ってこの感覚を失うことをとても恐れています。
別件ですが、SVCでご一緒した西塔君が「『シリコンバレーから将棋を観る』全訳プロジェクト」で頑張っているそうです。ガンガレ!超ガンガレ!
『シリコンバレーから将棋を観る』全訳プロジェクト
http://d.hatena.ne.jp/Moto_M/20090504/1241383295
金島先生邸でのホームパーティ
昨日、豪邸という噂の金島先生邸でのホームパーティに参加してきました。Berkeley在住日本人研究者の会(JGRB)のキックオフもあったようですが、金島先生を優先w
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/main/data/frst200302/fst.html
並川先生とお子さん、SVC参加者達も加わってとても楽しいパーティでした。お寿司に牛肉のたたき、金島先生のカレーなどとても美味しかったです。豪邸という噂も本当でした。丘の上で眺めがすごい!
SVでの先輩・成功者として、いろいろ興味深いお話を聞かせていただきました。金島先生は日本の大手メーカーのアドバイザーもされているそうで、日本の現状を正確に踏まえた上でコメントしてもらえたのが良かったです。印象に残った点を挙げると、
- 実は、学歴より職歴
- 日本人は、技術過信。技術があればいいベンチャーができると思ってる。でも、技術バカの日本人と経営センスのある人間が組むと幸せになれる
- 駐在者の憂鬱。日本の本社を良くしようと思って色々発信しても、全然反応がなくてガッカリして転職していく
- 力技(規模で推し進めるようなR&D)はUSの十八番なので、まともにやって勝てるわけがない
- もし、日本を良くしたいなら、日本のことを良くしたいと考えないほうがいい。逆説的に。ノーベル賞のことを考えてもノーベル賞が取れないのと同じ。あと、各自の「良い日本」を定義したほうがいい。US型なのか、フィンランド型なのか、オランダ型なのか。
あと、雑談もいろいろ面白かったです。
- SVは独身者にはつらいかも。SFに住んだほうがいい
- Microfinance超面白い!募金だと中抜きされるけど、KIVAのようなMicrofinance NPOだと発展途上国のやる気に溢れた人に直接少額投資できる。
- カレーを作るときは、まず牛スジとオックステールでスープを作って食べる(1日目)野菜を入れてポトフ(2日目)カレー粉を入れてカレーにする(3日目)
SVC参加者はWelcomeだそうですよ〜!
続:さて、これからどうしようか。
なんか3月ぐらいから家が民宿状態で、常に誰かが滞在してます。週末は一緒に観光に行ったりするわけですが、思いつきでSan Diego+Mexico(Tijuana)にまで行ってしまいました。Tijuanaは危ないという噂でしたが、日帰りで行く分には全然問題無さそう。写真はUS入国審査待ちの渋滞と物売り。商魂たくましいなあ。
さて、前のエントリからの続きを書こうと思って休憩時にいろいろ調べてたんですが、調べるほどわかってきたのは、私自身が管理職になりたいと思ってないということ。となると研究職としての実績を向上させるか、エンジニアリングに切り替えるかの2択なわけですが、どうしたものか。
昨年9月の時点では、派遣留学後に社会人向け大学院に行って工学博士orビジネス科学博士取得を目指そうと考えていたのですが、そんな余裕はなさそうです。
さて、これからどうしようか。
SVC参加者が異口同音に述べている通り、「エンジニアとして働くならSVがいい」は真だと思う。ただ、その事実を確認したうえで見えてきたのは、その精鋭エンジニアをまとめあげる管理職の難易度がかなり高いという点。
「シリコンバレーで管理職になる道!」でも述べられているように、日本人がSVで管理職となるには技術力・英語力だけでなく、Diversityに対応した経営管理力が必要になってくる。
(注意:エンジニア≦管理職という認識は無い。個人毎に向いている職種があり、管理職を目指すならどうするか、という話。Googleではエンジニア>管理職らしいがw)
ITに関わる仕事をする以上、SV近郊で働くという選択肢について考えるべきだと思うが、
- 生涯エンジニアとして働く
- 将来的には管理職として働く
のどちらを目指すかでキャリアプランが変わってくるだろう。1つ目についてはSVC参加者がいろいろ書いてくれているので、2つ目について考えてみたい。
#続きは後日。
以上、id:takuya-itohさんとid:d_seaさんのエントリに刺激されて書いてみました。
http://d.hatena.ne.jp/takuya-itoh/20090412
http://d.hatena.ne.jp/d_sea/20090403