日本のITベンダはグローバルクラウドになれるか

id:takuya-itohさんが紹介していた"The Facebook Era"を読み進めています。この本の紹介をSalesforceのCEOが書いているというのがかなり重要で、SaleforceはB2BのPaaSインフラ(クラウド)を、Facebook(特にFacebook connect)はB2C/C2Cのクラウドを握ろうとしていて、両社が助け合っているパートナー関係にあるという点です。SalesforceSaaSFacebookSNSという印象が強いですが、本質はクラウド争奪戦なのです。

企業訪問した印象では、SVを中心としたベンダは、利用者情報を活用するクラウドを構築することで高機能クラウドを狙い、インドを中心としたベンダは低コストを活かしたクラウドを握ろうとしているように思えます。

日本のITベンダの現状については、次の記事が参考になります。
サンを買うのはオラクル、クラウド時代の総合ベンダーの勝算は?

SaaS基盤サービスみたいな全く勝算が見えないビジネスでお茶を濁していないで

基幹系システムのクラウド化だ。多数の業務システムをこのクラウドに乗せることにより、リソースの効率活用を図り規模の経済を追求する。グレート! 正しいシナリオだ。

ベンダとして収益の見えないSaaSマッシュアップ(死語)で遊んでる場合では無くて、基幹系システムをクラウド化して生き残ろうとしているようです。(一応補足。スタートアップだったらSaaSで収益を上げる可能性は十分にあると思いますが、NFHといったITベンダのビジネスでは無いという意味)

「日本国内」で生き残る作戦としてはしばらくの間は有効だと思いますが、SVのベンダのように英語圏の普遍性かつITインフラ製品という強みや、インドの低コストという強みがあるわけでもないので、延命処置にしかならない気がします。

クラウドは「技術が語って」くれるビジネスなので、実は日本にも勝算があるのではと期待して思索しているのですが、その手掛かりがつかめていない状態です。ここで世界に打って出ないと、もうチャンスは無さそうなのですが。。